2004.4.11 Sun.
INNOCENCE
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読んだら、押してみるの方向で…
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「絵のセンス」がいい。とかってヨタ話はまあ、置いといて…。
ようやく観て参りました。
劇場は渋谷シネフロント。全席指定なので直前まで時間を有効に使えてGoodです。 カラオケしたり、ご飯を食べたりしてからゆっくり劇場入りです。
しかぁし、残念なことに運が悪かった。 前に座ったモジャモジャくせ毛の大男が、予告の間中連れと大声で話をし、本編クライマックスでは、背もたれの上に首をのせてのけぞって寝たために、もじゃもじゃ頭がスクリーンの下端に生い茂って気になってしょうがないし、エンドロールでは大きく手を上げて伸びをするしで、不愉快な思いをさせられたのが残念。
内容も濃かったことだし、こりゃあもう2-3回は観ることになりそうだな。
DVDのリリースを待つとしましょうか。
ネットの仮想世界ものはもう既に一ジャンルできてしまっているから今更「The Matrix」を引き合いに出してもしょうがないけれど、人間と人造人間(改造人間含む)との境界や、退廃的な未来都市像は、「ブレードランナー」の正当な後継者だなと。
ブレードランナーが都市の景観にアジア的なものをスパイスとして用いたとしたら、こちらは本格アジア料理って感じですが、その美術の圧倒的な密度は実写のそれを凌駕していると云って決して過言ではないでしょう。 いや、本当に目に美味しい。 香港の九龍城砦や、廃墟、アジアイコン好きの向きには必見ではと。
人間と人型人工生命体との対比、対立による生命の再定義というテーマは、ヒューマノイドロボットジャンルに共通するもので、例としてはキューブリック/スピルバーグの「A.I.」や、アシモフ原作の「アンドリュー NDR114」、TVシリーズ「STAR TREK The Next Generation」の中でのアンドロイド「データ」に関する一連のエピソードなどが同じテーマの作品になるでしょう。 それらと比較しての本作は、作品の映像としての美味しさや、台詞の奥深さ(例に挙げた作品を原語で理解していないので乱暴ではありますが)において相当上質の仕上がりだと思いました。
初めて「ブレードランナー」に触れたときの、圧倒的な密度の美術で表されたレトロフューチャーな世界設定と、説明不足で少々娯楽性に欠けるもののムードたっぷりに酔わせる物語に出会った衝撃。そういったところはまさにこの「INNOCENCE」に通ずるものがあると思いました。
作中で「人が人形を恐れるのは、人もまた物質にすぎないということを示唆されるから云々…」(うろ覚え)と云うような台詞があったけれど、僕が人形を苦手な理由である「壊れた人形、汚れた人形が死体を想起させるから」と云うところをさらに深く掘り下げられたようで、共感したり感心したり。
ただ、「ブレードランナー」が時代とシンクロせずに早すぎたためにカルト・ムービーになってしまったのに対して、「INNOCENCE」に対してのメディアの取り上げようと云うか、評価のされ方は作り手にとって幸運なことなのかなと思ったりとか。
興行的に成功になるのかどうかはまだわからないけれど、世間の関心は集めているなあと。
語るネタとしては美味しいところの多い作品なんじゃないかな。
ストーリー自体は割とシンプルで、「ああ、やっぱりこういう事件か」って感じなんですが、事件の核心に触れたときの主人公バトーの反応には、「そんなこと云われたって…」と思いました。
まあ、この作品については、たくさんのインテリな方々がいろいろと語ってくださるだろうから、ただ「好きな作品」に分類してここは終わりとしておきましょう。
「セクサロイド」って言葉は、松本零士の造語だと思ってたけど、違うのかな? そんなことが気になりました。
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