2004.5.5 Wed.
母と訃報
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突然実家の母から電話があった。
叔父(母親の、二人いる実弟のうちの一人)が亡くなっていたのだという。
それもまるまる一月以上前の3月末にである。
一人暮らしの叔父は、警察の検死報告によると心筋梗塞で突然死したそうで、そのせいで発見が遅れたということだが、せめて発見した時に知らせて欲しいものである。
もう葬儀も済んだということだ。
母曰く、「忙しくて忘れていた」とのことであるが、この人は大叔母(母方の祖母の妹)の逝去の時も僕には知らせてこなかった。亡くなってずいぶん経ってから叔母の家を訪ねた時に初めて聞かされたのである。
叔父の時も大叔母の時も葬儀は母の兄弟だけで行ったそうで、二桁いる僕の従兄弟たちもそのほとんどは列席しなかったようだが、すぐに帰れる距離にいるのだから一本電話をよこせば良いものを、この人はそれをしないのである。
盆暮れ正月、春の連休にも何年も、帰省はおろか電話一本の連絡さえしない僕が云うのもなんだが、この母にしてこの僕在りである。
うちの家族は全員が全員一人暮らしな上に、連絡もしないものだから、いつ誰がどこで死んでも全く気づかない可能性もある訳だ。 まあ僕の場合は賃貸だし、会社勤めもしているから連絡が行くかもしれないが、さすがにこれで良いのだろうかと思わされた。
ついでだから、母について語っておこう。
僕の母は、僕が実家に残していった車がもったいないと、50を過ぎてから運転免許を取得した強者である。
しかもオートマ限定ではない。
8人兄弟の5番目で、同じ市内に長兄(故人)とすぐ上の姉夫婦が暮らしており、毎日のようによく兄姉の家を訪ねていたものだ。
ずいぶんと昔のことではあるが、ある正月に僕が帰省すると、熱心にテレビゲームで遊んでいた。
甥(従兄弟)のゲームを姉(伯母)の家で遊んで気に入って、義兄(伯父)が買ってくれたのだと云う。
かの「スーパーマリオブラザーズ」である。
ステージ1〜2のあたりをたどたどしいコントローラーさばきで一所懸命にプレイしていた。
半年以上経って、再び実家を訪ねたとき、ふと目をやるとゲーム機にはまだそのカセットが刺さっている。
「まだやっているのか」と訊ねると、毎晩欠かさずにプレイしているのだと云う。
「どうしてもここが出来ない」と攻略本片手にやってみせてくれと請われたので、ゲーム機の電源を入れると、最後のステージ手前のところだった。
代わりに最後のステージをクリアしてみせるとたいそうすっきりした様子で喜んでいた。
他のケームはやらないのかと訊ねると、他には持っていないのでこれだけをやっているという。
不憫に思って、次に帰省した時には遊び終わったゲームを持っていったものだ。
そんな母くみこであるが、ある時、久しぶりに帰省すると「ドラクエ」を熱心にプレイしている。
どうやら甥(従兄弟)からお古を譲り受けたらしい。
そのプレイヤー名が
「ごくみ」だった。
そんな母のセンスに、どうにもツッコミを入れられなかった自分がもどかしかったのを覚えている。
「母の日」のカーネーションは明日届くはずです。
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